日勤だけのクリニックへ移ると、夜勤手当が月の収入から無くなります。
日本看護協会の2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査では、2交代の夜勤手当は平日1回あたり平均11,815円なので、月4回分なら額面で約4.7万円です。
実際の収入の差は基本給や賞与でも変わり、移って楽になるかは、つらさの中心が夜勤そのものかで分かれます。 僕は看護師ではありません。
妹2人と母が現役の看護師という、外野の兄です。
この記事では、病棟からクリニックへ移るときに変わることを、お金、働き方、人間関係の順に、どこにも肩入れせずに整理します。
クリニックに夜勤はある?
入院のベッドが無いクリニック(無床診療所)なら、夜勤が無いのがふつうです。
ただし、入院のベッドがあるクリニック(有床診療所)では、夜勤や当直があることもあります。
求人票では、入院設備の有無と、夜勤や当直の有無を両方確かめてください。
日本看護協会の2025年 病院看護実態調査では、一般病棟で働く看護職員のうち、2025年9月の夜勤が0時間だった人は6.7%でした。
この調査では、一般病棟でその月に夜勤をしなかった人は少数でした。
今の病院に外来など日勤の部署があるなら、異動できるかも、クリニックへの転職と並べて確かめてください。
給料はどれくらい下がる?
給料全体がどれくらい変わるかは、基本給や賞与、ほかの手当によって変わります。
まず、日勤だけの職場へ移ると無くなる夜勤手当を、今の夜勤の回数から見積もります。
日本看護協会の2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査では、2交代の夜勤手当は平日1回あたり平均11,815円でした。
この平均額は、夜10時から朝5時までの深夜の割増賃金を含み、夜勤の回数などによる加算は含みません。
日本看護協会の2025年 病院看護実態調査でも、定額の夜勤手当は2010年からほぼ変わらず、横ばいが続いているとされています。
下の表は、2024年度調査の平日の平均額に、月の回数を掛けた試算です。
| 2交代の夜勤(月) | 無くなる夜勤手当(月) | 1年では |
|---|---|---|
| 3回 | 約3.5万円 | 約43万円 |
| 4回 | 約4.7万円 | 約57万円 |
| 5回 | 約5.9万円 | 約71万円 |
| 6回 | 約7.1万円 | 約85万円 |
表の額は、無くなる夜勤手当だけの額面の目安で、給料全体の差ではありません。
税金や社会保険料を引いたあとの手取りの差は、人によって変わります。
夜勤手当の額は病院ごとに違うので、いちばん確かなのは、自分の給与明細で、夜勤をやめると無くなる手当を確かめることです。
明細によっては、深夜の割増賃金が夜勤手当とは別の欄に出ていることがあるので、その場合は重ならないように足してください。
3交代の人は、準夜勤と深夜勤の手当が明細で分かれていれば、それぞれの欄を足して見てください。
分からなければ、給与の担当の人に聞くのが確実です。
基本給や賞与、退職金、昇給の決まりはクリニックごとに違い、今の病院より高いか低いかは職場によって逆にもなります。
移る前に求人票と面談で確かめておけば、移ってから「思ったより少ない」となるのを防げます。
働き方と人間関係はどう変わる?
夜勤が無くなるぶん体は楽になりやすい一方で、休みの形や仕事の中身、人との距離感が病棟とは変わります。
生活と休みの形
いちばん大きいのは、生活のリズムが日中に固定されることです。
夜勤明けの疲れや、昼と夜の切り替えが無くなります。
一方で、休みの形は病棟と変わります。
日曜と祝日が休診で、土曜に診療するクリニックもあります。
午前と午後の診療のあいだに、長めの休憩がある勤務もあります。
帰る時間は、受付が終わる時刻と、その後の片付けで決まり、受付の終わり間際に患者さんが続くと遅くなることもあります。
仕事の中身
外来が中心になるので、病棟のような全身管理や急変対応の場面は少なくなります。
主な仕事は、診療の補助、採血や注射や点滴、検査の介助、患者さんへの説明や電話の対応などです。
少人数の職場では、受付や片付け、器材の準備まで手伝うこともあります。
何が多いかは、診療科で大きく変わります。
クリニックといっても、内科と皮膚科と眼科では、毎日の処置がまるで違います。
教育の体制は職場によって違います。
入ってからの指導の担当者と、独り立ちまでの進め方を確かめておくと安心です。
人間関係
人が少ないぶん、合えば楽になり、合わなければ逃げ場が少なくなります。
合いそうかどうかは、面談でスタッフの人数や最近の入れ替わり、院長の考え方を聞くと、見当がつきます。
病棟のように大勢の中で距離を取ることは難しく、毎日同じ人と顔を合わせます。
受付や医療事務の人と協力する場面も多くなります。
つらさの中心が人間関係なら、それが職場の仕組みの問題か、特定の人の問題かを先に分けて考えると、移る先を選びやすくなります。
この分け方は、辞めたい理由は4タイプの人間関係型のところで詳しく書いています。
向いている人と、後悔しやすい人は?
移って楽になりやすいのは、つらさの中心が夜勤そのもので、外来の決まった流れの仕事が苦にならない人です。
当てはまるかを見るときは、数よりも、収入や勤務時間など、自分にとって譲れない条件を満たすかを先に確かめてください。
- 夜勤明けの疲れが抜けず、体がもたないと感じている
- 夜勤手当が無くなっても、暮らしが回る、または回る形に変えられる
- 外来のテンポの速い流れを、こなしていくのが苦にならない
- 少人数の職場で、受付や片付けを含めて動くことに抵抗が少ない
反対に、次のような人は、移ってから後悔しやすいと思います。
- 急変対応や全身管理で、看護の腕をもっと上げたい
- 夜勤手当を含めた今の収入が、家計の前提になっている
- 土曜の勤務があると、家庭の予定と合いにくい
- 職場の人と、ほどよく距離を取れるほうが安心できる
後悔しやすい側に当てはまっても、看護師として劣るという意味ではありません。
今の自分が何を優先したいかと、職場の形が合っているかどうかの話です。
夜勤はつらいけれど看護の腕も磨きたい人は、日勤だけの勤務がある病院や、夜勤の回数を減らせる働き方を探す道もあります。
移る前に何を確かめればいい?
まず自分の給与明細で夜勤手当の額を確かめ、無くなっても暮らしが回るかを見てから、求人票と面談で次の8つを確かめてください。
- 入院のベッドの有無と、夜勤や当直の有無
- 月の給与の内訳(基本給と手当)と、賞与や退職金、昇給の決まり
- 診療時間と休診日、土曜の勤務の有無
- 昼休みに拘束があるかと、受付が終わってから帰れるまでのふつうの時間
- 看護師とほかのスタッフの人数と、最近の入れ替わり
- 看護師の仕事の範囲(受付や片付けを手伝うか)
- 診療科と、多い処置や検査
- 入ってからの指導の担当者と、独り立ちまでの進め方
転職サービスの担当者に、職場の実態をどう聞くかは、面談・最初の電話で聞くべきことにまとめています。
家計の見通しが立ったら、勤務時間、人間関係、身につけたい経験が、自分の希望に合うかを比べてください。
辞めたい理由がまだはっきりしない人は、辞めたい理由は4タイプで、自分がどのタイプかを先に確かめると迷いにくくなります。 クリニックを候補に入れて条件を比べ始めたい人のために、転職サイトの選び方を目的別に看護師の転職サイトの比較・選び方にまとめています。 急いで決める必要はありません。
数字と条件をそろえてから選べば、移ったあとに後悔しにくくなります。
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